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旅行から帰った日、マンションの前に、恭ちゃんの車が止まっていた。
…よかった。怒ってないんだ。
そう思った。
でも…違ってた。
「あんなに行くなと言ったのに、行ったんだね」と。
私は、とりあえず謝った。でも、立場上行かなきゃならないことを言った。
そして、旅行と恭ちゃんは比べるものじゃないし、
恭ちゃんが大事なのは、本当だからと話した。
どこか、まだ引っ掛かってはいたみたいだけど、恭ちゃんは少しだけ落ち着いて、帰った。
私は、工藤さんのことと、恭ちゃんのことで…
ぐったりだった。
その後、工藤さんからは特に何も言われず…
旅行のあれはなんだったんだろうと思いながらも、
実は…みんなが勘違いしてるだけで、
工藤さんは他の誰かを好きなだけじゃないかと思えてきた。
あのあと、いつもの恭ちゃんに戻り…二人ででかけたり、飲みに行ったりと、また幸せな時間が戻って、
平和に過ごしていた。
秋には、恭ちゃんの両親と四人で旅行に行ったりと、順調に時は過ぎていた。
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