始まり…

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「でね、仕方ないから、また来週とりにいくよ。今度は半休にして。あんまり会社休めないし」 一応は、秘書だから…スケジュール調整もあるし、休まないようにしていた。 有休は、なるべく取らない風潮もあったし。 「なんで、今日とってこなかった?俺は会社に明日だせると前から言ってしまってるんだ」 「でも…何度言っても、お願いしても無理だったから。あたしの本籍は北海道だから、確認がどうとか言われて」 「しらねーよ。どうしてくれるんだ。俺に恥をかかせる気か?」 …そんなんじゃないのに。なんであたしが、ここまで言われるの。。 煽るように、ビールを飲みだす。 酔ってるのか… 目がすわってきてる。 苛々してるのがわかる。 「今から、役場へ言ってとってこいよ。できないって言うなら、そいつを連れてこい」 役場なんて、人がいるわけない。こんな時間に。 完全に悪酔いしていた。 こんなのを見るのは、 初めてだった。 「ごめんね、もしあれなら、恭ちゃんの会社の総務部長さんに、私から説明して、待ってもらうから。ね。役場誰もいないし」 とにかく、落ち着かせようとした。
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