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…でも、
落ち着くどころか、もっと荒れてきた。
無理難題を言っては…
私を困らせた。
恐いというより、まだこのときは、何とかしなきゃとか、どうしようとか、どうやったら機嫌が直るかとか、そればかりが頭に浮かんだ。
しまいに…冷蔵庫にあったビールを飲みきると、ビールを買ってこいと言い出した。
すでに10時を過ぎていて、スーパーはあいてない。コンビニもかなり遠い。
「また明日買うから、今日はもうやめよ」
明らかに飲み過ぎ。
私は優しくいった。
「うるさい!買ってこい。五分で帰ってこいよ」
「そんなの無理だよ。駅の方まで行かなきゃならないんだから」
― 一瞬だった ―
恭ちゃんは、私を蹴った。
予想もしていなかった私は…倒れこんだ。
「痛い…」
それから、何度かそのまま踏みつけられた。
お腹や顔を…
逃げようと思っても、あまりに急なことで体が動かなくなってしまった。
何が起こっているのか、理解ができなかった。
「恭ちゃん、やめて!痛い」
泣きそうな気持ちを、堪えた。
「早くいけよ」
…私は観念して、自転車の鍵と財布をもって家をでた。
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