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「かの…昨日はごめん。飲み過ぎて、わからなくなってた。」 「もういいよ」 「うん。あのさ、ごはん作ったんだ!全部つくった」 笑えた。だって、おかずは明らかに買ってきた惣菜。でも、私に気を使って用意した。 ごみ袋の奥の方に、 惣菜のトレーを隠してあった。 微笑ましく思えた。 なにかを作りたくても、できなくて、考えたんだろう。 私に喜んでもらいたくて。 もう…それだけで昨夜のことはいいやと思えた。 「ありがとう。たべよ!」 私たちは、また元の二人になって、話をしながら食事をして、テレビをみて、 楽しく仲良く過ごした。 また、普通の幸せが戻った。
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