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私の中で、いい人でしかなかった和田さん。
いつも困ると助けてくれて、仕事以外の話もするようになっていた。
もっぱら、「今日は彼とデートなんだ♪」「彼が忙しくて、いつも夜中から朝方にしか会えないんだ」とか、和田さんは「そっか~」などとお兄さんのようだった。
和田さんは「実家で野菜作ってるから、よかったら送るよ!」
そういうやり取りがあって年賀状のやりとりもしたりした。
とはいっても、決して特別ではなく、他の販売会社の人や東京支店の人も同様に…。
そんなやり取りがありながら、仕事は充実してやりがいもでてきた。
だんだんと、うまく仕事をまわすことができ、会社内でも一目おかれるようになってきたのだ。
一見順風満帆に見えていたが、陰では一つ上の先輩から意地悪をされていた。
理由は、
私が仕入業務に指名されたこと…
社内の誰もが、中島さんが後任になるだろうと思っていた。
中島さん本人も。
それが、私になってしまったことで、プライドを傷つけてしまった。
まだ、そういうことに疎かった私は、言われたままに引き受けた。
月日がたつにつれ、意地悪はエスカレート。
元々男っぽい性格の私は、面倒に感じた。
「くっだらね~。あんなに最初は可愛がってくれて、会社から毎日一緒に帰ってたのに。だから、女はめんどくさい。」
そういう思いが強くなっていった。
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