引き金

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家につき、チャリを停める。 二階までの階段を、フラフラしている恭ちゃんを支えながらのぼった。 鍵をあけ、中に入り…お風呂を追い焚きした。 座り込んでる恭ちゃん。 お水を汲んで、恭ちゃんに渡す。 「お風呂は無理そうだね。明日の朝早めに起きて、シャワーにすれば?いま、布団用意するね」 「かの、ありがとう。来てくれて」 「うん、あたしも楽しかったよ、ありがとう」 優しい恭ちゃん。 私はお湯を確認にいく。 戻って、布団を出そうと恭ちゃんの横を通りすぎようとしたその時… 私は転んだ。 畳で膝と肘を擦った。 痛い。 私は… 恭ちゃんが出した足につまづいた。 偶然だと思った。 「ごめん、恭ちゃん足大丈夫?引っかけちゃった」 自分より、恭ちゃんを心配した。 恭ちゃんは笑った… 冷たく、ニヤリと。 目が鋭く私を睨む。 え?なに? …胸騒ぎがした 気づかないふりをして、目をそらしたまま、布団に向かう。 こわい。 「…っくしょう」 「どいつもこいつも…」 恭ちゃんが呟いた
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