引き金

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布団を用意して… 気づかないふりを続けた 「恭ちゃん、あたしお風呂はいる…ね。恭ちゃん疲れてるから、先ねてて」 すこし、声は震えた。 思い出した。一週間前の…あの時の目と同じ。 ごまかして、切り抜けたかった。 「ムカつくんだよ。テメーも、杉田も加藤も、会社のやつら全員な」 「どいつもこいつも…俺をバカにしやがって。なぁ?お前もそう思うだろ?」 「そんなこと…ないよ。さっき…だって…杉田所長、誉めてたでしょ。」 「あ?お前の後に誉められたって、意味ねーんだよ。お前より俺は下ってことだろーよ」 「所長は、私に気を使って、私を先に誉めただけ。所長は私の仕事みたことないんだからさ…いつもみている恭ちゃんを誉める方が、本心なんだよ」 「うるっせーよ。あ~ムカつく。飲み直しだ。ビールだせよ」 二人とも外食だから、冷蔵庫にあるのは一本だけ。 買い物にいってない。 一本を渡した。 「これしかないの。今日買い物いかなかったから」 「なんだよ。開けて渡せよ!なめてんのか?秘書のくせに気がきかねーな」 秘書関係ないのに。 「ごめんね」
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