1834人が本棚に入れています
本棚に追加
布団を用意して…
気づかないふりを続けた
「恭ちゃん、あたしお風呂はいる…ね。恭ちゃん疲れてるから、先ねてて」
すこし、声は震えた。
思い出した。一週間前の…あの時の目と同じ。
ごまかして、切り抜けたかった。
「ムカつくんだよ。テメーも、杉田も加藤も、会社のやつら全員な」
「どいつもこいつも…俺をバカにしやがって。なぁ?お前もそう思うだろ?」
「そんなこと…ないよ。さっき…だって…杉田所長、誉めてたでしょ。」
「あ?お前の後に誉められたって、意味ねーんだよ。お前より俺は下ってことだろーよ」
「所長は、私に気を使って、私を先に誉めただけ。所長は私の仕事みたことないんだからさ…いつもみている恭ちゃんを誉める方が、本心なんだよ」
「うるっせーよ。あ~ムカつく。飲み直しだ。ビールだせよ」
二人とも外食だから、冷蔵庫にあるのは一本だけ。
買い物にいってない。
一本を渡した。
「これしかないの。今日買い物いかなかったから」
「なんだよ。開けて渡せよ!なめてんのか?秘書のくせに気がきかねーな」
秘書関係ないのに。
「ごめんね」
最初のコメントを投稿しよう!