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一年が過ぎた頃から、中島さんからの意地悪は誰から見ても顕著になってきた。
仕事は嫌ではなかった。
でも、時代はまだバブル期の名残があり、次第に私は営業という仕事に興味を持ち始めた。
それも、フルコミッションの営業。
色々考えた上で、
転職を決意した。
私の後任は中島さんに決まった。
でも…
後輩から仕事を教わるなんてことは、当然ながら中島さんは拒否をした。
意地悪をされても、最初の2ヶ月…中島さんがよく私の面倒をみてくれていた。引き継ぐ業務はオフコンの扱いもたくさんあり、簡単にはいかない。
自分が泣きそうになりながら、やってきたことを、無責任な形でやめるのは嫌だった。
中島さんにそんな思いをさせたくなかった。
私はきれいにノートにまとめ、引き継ぎ書を残し、
親切にしてくれる東京支店の担当者や和田さんにも、事情を話した上で、中島さんのことをお願いして退職をした。
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