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「お前、此処で何してんだ?」
雛森を見舞った帰り、いつもの穴場に立ち寄ると先客がいた。
深緑の間から差し込んだ太陽の光がそいつの横顔を照らしている。
俺が声をかけた矢先に振り向いた奴の琥珀色の瞳と目がかちあう。
俺が直接そいつと関わりを持つのは初めてだが、松本や他の隊長達の話を聞き、そいつの素性くらいは俺も把握していた。
[黒崎一護]
藍染との戦闘で負傷した人間。
朽木ルキアを奪還しようとわざわざ現世から仲間と共にこんな所まで乗り込んで来た勇気ある若者…とでも言うべきとんでもない奴だ。
額や死覇装の間から覗く白い包帯。
あの怪我でその程度で済んでいるというのが不思議なくらいだ。
確か聞いた話によると負傷した黒崎の容態は俺よりも重傷だった筈だ。
だが、こうして自由奔放に出歩いているところを見ると意外にも回復力が早い方なのかもしれない。
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