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「そういやーまだお前の名前、聞いてなかったよな」
「はぁ?」
「名前だよ、名前。ほら、言ってみ?」
何なんだ…聞いてやるからさっさと言え、みたいなその横暴な態度は!
そんじょそこらの餓鬼じゃねぇぞ、俺は!
尸魂界で知らない奴は居ないというのに誰かも解らない奴と今まで話してたつもりで居たのか!テメェは!
俺の名前を知らなかったという事実にも腹が立つが黒崎の態度にはもっとムカつく。
もちろん俺はこれから先もこいつと馴れ合うつもりはないし、ここで素直に名乗りを上げるのも面倒ではあったが、その場の流れの成り行きというもので仕方なく自らの名を口にした。
そいつの顔を恨みがましく睨みつけることもしっかりと忘れずに、だ。
「…日番谷冬獅郎。十番隊隊長だ」
「隊長?え?お前ってそんなに偉い奴だったのか?こんなちっこいのに?」
と、心底驚いたように目を見開きながら俺の方をわざとなのか指差す黒崎。
さっきからやけに目線を低く変えて来て話し易いな、とは思っていたが…
やはり、予想した通り俺のことをまるで子供と接する時と同じように扱っていたようだ。
最初会った第一印象からずっと思っていたことだが、こいつは初対面の人に対する礼儀ってものをどうやら知らないらしい。
立ち上がった時に嫌という程思い知らされる身長差が更に恨みがましい。
そんな俺の視線などさも気にしないかのように何やら試行錯誤し一人納得したらしい黒崎は、拳を作った手をポンッと一つ叩いてみせた。
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