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気が付くと俺は見たことのない場所にいた。
バカみたいに広い草むら、その中にポツリポツリと墓石が落ちている。
よく見ると片方しかない靴や何時のか分からない雑誌や壊れてるだろうラジカセも落ちている。
「ここ…何処だ?」
俺はさっきまでの事を思い出そうと思い返す。
えっと…あれ?俺何処から来たんだっけ?必死に思い出そうとするが名前しか思い出せない。
少し焦っていたが気持ちを落ち着け今の状況を整理してみる。
俺の名前は桐原 晴矢。気付いたらここに立っていた…。持ち物は…タバコに財布、電波の、入らないケータイ。
これくらいしか思い出せない。
何故…俺はここにいるんだろう…。
そんな事を考えながら空を眺めていると後ろから声を掛けられた。
『お前…こんな所で何してるんだ?』
ゆっくり後ろを振り向くと女の子が立っていた。
年は俺と同じくらい、黒い魔法使いが着るような服に帽子を被っている。
「分からない…気がついたらここにいた。それよりもここは何処なんだ?」
俺の発言に女の子は最初はキョトンとした様子だったがすぐに状況を理解した顔で言った。
『お前、外の世界の人間だな。状況が読めていないし記憶がないなら一緒に来てもらうぜ?』
女の子は俺の腕を強引に引っ張り箒にまたがらせた。
俺が質問するより先に女の子は親指を立てて言った。
『しっかり捕まってるんだぜ!』
ものすごい速さで箒が加速し空に飛び立った。
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