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「……サボり?」
疑問形で答えたら、カカカッと笑われた。
「なんで俺に訊いてんだい」
「なんででしょうね。
先生はサークル入ってないの?」
「俺はバイトがお友達だからなあ」
順当に話題がズレていくのに、ホッとした。
「バイトって?
あ。そこのお店」
平日だというのに、アーケードの下はごちゃごちゃとたくさんの頭が行き交っている。
その山を縫うようにして、埋もれないように、埋もれたように控え目な看板を指差した。
「カテキョ。懲りない男と呼んで」
茶化したように言うその声に、皮肉は一切込められていない。
にも拘わらず、あたしはうまくそれに乗れなかった。
黙ってしまう。
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