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「相変わらず冷たいなあ、栄美ちゃんは」
「だって先生は先生だから」
先生を名前でなんてとても呼べない。
そんな恥ずかしいことできるわけがない。
「まあいいけど。それはそれで嬉しい気もするし」
「え?」
「まだ栄美ちゃんのなかで俺は先生なわけでしょ。だったらやっぱ嬉しいからさ」
そんな無邪気な笑顔を見せないでほしい。
胸の奥がミシミシいうのがわかる。
これ以上殻を叩かれたら、きっとひび割れてしまう。
ひび割れて、パリンと弾けて、閉じ込めたはずのビー玉が転がり落ちる。
一度転がり出したら、簡単には止まらないに決まっている。
無理に押し込めた反動が、力を貸してしまうから。
「ここ? 結構客入ってんね」
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