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思わず先生の腕をギュッと掴みながら言い返す。
相手のノッポはそれを目敏く眺めてから、無表情で静かに口を開いた。
「誰?」
蔑んだような目。
文字どおりの上から目線。
いつもいつも、足元にも及ばない屑人間だと言われているような気持ちになる。
よりによって、どうしてこの男とぶつかっちゃってるんだろう、あたし。
今日はとことん運がない。
「ちょい待ち。なに? なにが始まってんのさ?」
あたしたちの険悪ムードにビビったような先生の声が、頭上から割って入る。
ドクン、と悪魔の心臓が音を立てた。
先生の腕に両手でしがみつき、これみよがしに身体をくっつける。
「彼氏」
先生にではなく、目の前のノッポを見て言った。
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