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ガラガラガラ、コーン。
白い玉が勢いよく飛び出して、期待してもいなかった肩がなぜか落ちる。
「残念! ポケットティッシュになりますね」
「あ、どうも」
「ありがとうございました!」
無駄に明るい店員の声のおかげで、無駄に落ち込む自分に気付く。
どうせあたしなんか、福引きすらまともに当たらない人生を送っていますよ、と自嘲でもしたくなる。
ニコニコ笑顔の彼女の前でわざとらしくため息をついてから、あたしは特設カウンターに背を向ける。
店の入り口で立ち止まってポストカードを物色していると、中からカランカラン、と一際大きな音が弾けた。
「おめでとうございます! 一等、大当りです!」
さっきより十倍はテンションの高い店員の声。
思わず覗き込むと、スリムな男の人がのし袋を受け取るところだった。
「ありがとうございます」
奇声をあげるより先に感謝を口にしたその姿を、あたしは逸らしかけた目で二度見した。
ドクン、と素直な臓器が反応する。
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