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快く頷く人物にロキは呆れた。
『私をここまで困惑させた者はそうはいないな。
……それだけそちらもこの“意味のない戦い”に嫌気が差しているのか』
「さぁ、どうでしょうね」
あくまでも笑って誤魔化す人物
『……まぁ、私は帰らせてもらおう。
オークションも始まる』
「では私も帰らせてもらいます」
『――その前に』
ロキは蛇とシットを交互に見る。
『やはり不気味だ。お節介をしてやろう。
――シット』
ピクッと、隆志を護ろうとしていたシットが動く。
『やれ』
『ヴォン!!』
シットはその場から飛び出し、動かなくなった蛇を喰らう。
そしてそのまま隆志の体のなかに入ってしまった。
「なっ……!」
『おや、何か不都合でもあるのかな? 【断罪】の副作用でもう能力は使えないが、それでも強い戦士には変わらないぞ?』
「…………いえ」
その人物が苦い顔をして満足したのか、ロキはその場から去っていった。
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