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俺は今、とあるマンションの一室の前にいる。
マンションの扉の横には名札があり、そこには『金守』という苗字がある。
この部屋に住人の名は
【金守雛】
どうやら、ゾンビの頃から俺のことが好きらしい。
らしい……という表現だがこれは別に人伝に聞いたからではない。
かいつまんで言うと、俺【高橋隆志】は金守雛と過ごした記憶を失ってしまったからだ。
【記憶喪失】と断定していいのか分からないが……その類いだと今は認識している。
ゾンビとして過ごした6月22日から8月9日までの記憶を俺は失った。
幸いなのは、それが完全にではなくて断片的に覚えていることだろう。
彼女と話した覚えは無くなったが俺は彼女の容姿、性格、そしてある程度の情報がある。
例えば赤いブローチ
彼女は親の形見のブローチを大事にしていた。
そして彼女の家は日本五家と呼ばれる由緒正しい陰陽師の家系なんだとか……
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