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ロキはその人物を見ながらため息をついた。
『魔王復活……そんな“嘘”をついてまでこの戦いをやる意味があったのかな?』
「ありますよ。少なくとも、これで高橋隆志の存在は結社の手に余る。
私以外の誰も、彼を管轄に入れたがらない」
『……人間の組織は、体裁や建前を気にし過ぎるきらいがあるな。
まぁ【入れ物】が三つも手に入ったからコチラは良しとするか』
「ええ。ギブアンドテイクで、私たちの取引もひとまずはこれで終わりです」
その人物の言葉を聞き、ロキは苦笑した。
『神殺しを大量に捧げてまでこの戦いを起こす。
結果、こちらは三つの入れ物の手に入れたが……
そちらは【RULE-RESISTER】が一人増えただけ』
ロキは気絶した隆志を一瞥した。
『こちらの取り分が多すぎて不安になるな』
「いえいえ。そちらも手筈通りに七体の獣すべてに【種】を仕掛けていただきました。
確かにこちらは高橋隆志だけですが他の“六人”もいずれ表舞台に出てもらいます」
『……好きな時にこちらで自由に使って良いんだな?』
「もちろん」
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