プロローグ

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正直今の気持ちを言おう。 退屈である。 だから私はダルそうに頬杖を付き、膝を組んで大きな口を開けてアクビを一つ。 さっきから私に向けてウサギが何かを必死に伝えようとしている。 別に会話が出来ない訳では無い。 単純に私が話を聞いていないだけだ。 「――分かりましたでしょうか、アリス様」 どうやらウサギの説明が終了した様だ。……分かったかどうか。その質問に対して答えるのであればこうだろう。 「すまん。聞いていなかった。もう一度説明して貰っても良いか?」 「またですか!?これで何回目だと思ってるんですか!!」 「何回説明されたか記憶しているのであれば、どんな説明をされたか位分かると思わないか?分からないからもう一度説明しろと要求している。つまり何回説明されたかも分からない」 ウサギが溜め息を付く。 「……良いですか?これが最後の説明です。私は忙しい身何ですから」 そう言ってウサギは首からぶら下げている懐中時計を確認する。 私に対して忙しい事をアピールしているのか。もしかして本当に忙しいのだろうか。 まぁ、何度も同じ説明をさせている訳なので今回はしっかりと聞いてやろうでは無いか。
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