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「アリス様。王子ですよ王子!!食いついたりしないんですか?」
「王子とは名ばかりでは無いか。そもそも私の住む国には王子が多過ぎるのだよ。ちょっと行ったら城があって王子。少し行ったら城があって王子。一つに纏める気は無いのか?」
「それは……自分達にはどうにも」
ウサギの小さな体が更に小さくなった様に思える。
少し攻めすぎてしまっただろうか。反省はしよう。改善する気は無いが。
「もう良いか?無いなら私は自室に戻りたいと思う」
「いえ。まだあります」
……。何だと。この小動物はまだ私の自由時間を奪うと言うのか?
少しばかり浮かせた腰を再び椅子に戻した私は、先程と同じ格好に戻る。
「……っで?何の話があるんだ」
「いや……その……」
私のちょっとした低い声にウサギがたじろぐ。
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