お兄ちゃんの日記

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四月◯日、 今日、なぜかひょんなことに、人を救った。 とは言っても、ボールを蹴って顔面にぶつけたくらいだが……… もう、サッカーはやらないと決めたのに、体が勝手に動いた。 今となっては、後悔がつのるばかりだ。 ごめんな、夕香。 これじゃあ、また、未来に嫌われるな……… ――――――――― ―――――― ――― 大学ノートを閉じ、机の棚の中にしまう。 チラ、と横目で時刻を確認すると、時計はもう午後6時を指していた。 その時、タイミングがよく、家の鍵が開けられる音がした。 すぐに自室からでて、玄関へと走る。 「―――遅い、今何時だと思ってる。 門限は4時半だろう。」 「うっさい。死ね、シスコン」
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