【endaevor】

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オンとエニシの勉強開始から、早数時間――― 楽しかったデートのお土産と土産話を携えて、一組の夫婦が帰宅した。 遠野夫妻だ。正真正銘、エニシの両親である。 平素からラブラブなこの夫妻はよくデートするのだが、今日は二人の休みが重なった特別な日。 明日も出掛けちゃおっか?もちろんいいよ愛する君の(略)な会話を繰り広げ、頭に春満開で愛しい二人の愛の結晶の待つ我が家へ足を踏み入れた二人が見たのは。 「「……なにしてるの?由」」 愛の結晶(次男)がリビングを扉の隙間から覗いているところだった。 「あ、おかえり…」 どうしたのだろうか。夫妻は春満開の頭をひねる。 いつもなら「あー!おかえり父さん母さん!今日はどこいってきたの!?」と続く筈だからである。 そしてそれを聞き付けてもう一人の愛の結晶(長男)が来るはずなのだけれど… 「あ…今ね、兄ちゃんの友達?が来ててね…」 友達に疑問符?夫妻はまたも首を傾げた。 由の反応は芳しくない。 もしかして、悪いお友達じゃ!? しかし愛の結晶(次男)は夫妻の考えを先読みし「あ、違うよ!普通のこ」と言う。 じゃあ、何が問題なのだろうか? 「兄ちゃんが初めて女の子の友達、」 連れてきた。そう言おうとしていたのだが。 「やーん!!彼女?彼女なのね!? あ、でも『友達』ってことはまだ微妙なのよね?そうなのね? やだ~どうしようー! わたしこの日をすっごく待ってたの~!18年くらい!」 「なっっっがっ!って、えええー… じゃあ、エニシが生まれるか生まれないか位には考えてたのかい?」 「そうよー?だって、娘ほしいんだもん」 以上。 愛の結晶である息子を差し置いて繰り広げられた夫妻の会話でした(小声) しかしヨシは思った。 (そんな事態ではない。あれはまさしく…) しかしテンションの上がった母親はリビングの扉を躊躇なくバーン!!と開け放ったのだった。 「たっだいまーーー!」
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