【endaevor】

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勉強会は夜に突入し、夜も更け、深夜まで続いた。 オンは朝方に帰り、それから学校へ行く。エニシも同じくだ。 そんな生活をテスト期間中も行った二人。 その勉強会の状況たるや、涙無くしては語れぬくらいだった。主にエニシサイドの。 そんな寝不足な二週間は、あっという間に過ぎ去って。 とうとう今日は事務所に呼ばれる日になった。 スタジオの隣にある事務所。そこに出向かなくてはならない。 もちろん、手ぶらではなく、得点通知表を持って… 因みにオンのテストも終わって得点通知表も返ってきた。 高校生二人は手に爆弾を携えてボスの元へと向かったのだった。 *** 「さて。 エニシもオンも自分の見たのか?」 受け取った得点通知表を開かず、二人に言う青原。 「怖くて見れませんでした…!」 「見ましたよ。普通通りでした」 「………………。」 神か仏のように青原に祈るエニシ。反対につまらなそうなオン。 そんな高校生ズをチラッと見てから、青原は得点通知表を開いた。 「オンは………三位か」 学年で、だ。 ちっ、つまんねぇの。とか思いながら、一番面白そうなエニシの通知表。 「………十位!?」 前回の成績は下から数えた方が早いくらい。 今回は上から十人目だ。 これは褒め称えてあげてもいいだろう。 「やればできんじゃねぇか!エニシ!」 わしゃわしゃエニシの頭を撫でるも、当のエニシは放心していた。 「じじ、十位…?オレが?なんで? もしかして通知表間違えた!?」 「同じクラスに『遠野縁』なんて希有な名前が、二人もいるの?」 オンの冷たいツッコミ。 「『近原緑』なら居るけど……居ない……。やったー!オレだーっ!」 ようやく喜びを実感するエニシ。 青原は笑顔。オンは白けた顔でそれを見守っていた。 つーか『近原緑』は居るのか… オンはそれだけが引っ掛かった。 「よし。よくやった二人とも!! とりあえず第一段階クリアだ!」 これにて勉強会は無事に幕を下ろした。
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