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昔は家族がいたが、毛並みの白い兄弟達は生まれて間もなく人間にもらわれていき、母猫は近所の雄猫と新しい家族を作った。
それでも幼い頃は良かった。人間の子供から可愛がられたりもした。
しかし大人になるにつれ人間は離れていき、いつしか不吉と罵られるようになった。猫はしだいに自ら人間を避け、孤独が纏わり付いてから性格も変わった。
自ら孤独を選ぶようになった。
そんな猫でも自分から人間に近づくときがある。公園通りで毎日やっている露天を見て回ることだ。珍しいものが大好きなのだ。
今日も猫は公園前の大通りを歩く。
前足を突き出し胸を張り、自分を大きく見せた。顔も知らない父親から受け継いだ、綺麗な鍵尻尾を自慢そうに立てて。
舌で毛並みを整えてある。目やにだってとった。人間に何て言われようが自分は自分だ。恥じることなんて一つもありはしない。
猫は自分に言い聞かせる。
予想通り人間は猫を罵った。罵声を浴びせ、向こうに行けと手の甲を見せるように手を振った。
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