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「…ただの待ち受け画面ね。画像も麗菜ん家の犬だし」
「うん。今ね、待ってるの。9:00になるのを」
麗菜はそう言って携帯画像を再び見つめだした。
携帯の時刻は8:56。
9:00まであと4分だ。
「9:00に何があるの?てか、1時間目始まってるんだから先生にばれないようにね」
「はーい」
軽く笑って先生の方に体を向けると、冷たいビームを放っている先生がいた。
苦笑いで先生をあしらってからもう一度携帯を開く。
8:58
「あと、2分」
携帯を何度も開閉しながら麗菜は9:00を待った。
「早く9:00にならないかな?麗菜がなにを待ってるのか気になる」
後ろの席で先生と麗菜を見ていた真由はクスクスと笑いながら携帯を覗いた。
そわそわとしているのか真由は机を指でトントンとしながら待った。
「きたっ!!」
携帯の着信ライトが光っているのを見て、真由と麗菜は2人揃って小声で言った。
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