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ライラとフラークがお披露目の時間をむかえる頃。
グランザール城の東西南北にある兵士詰め所。その内の一つ、南兵士詰め所で事件は起きていた。
「おいオーガニアの兵士さん達よぅ。
バリア解除の鍵が無くなるなんて事あっていいのか? 今日こんな日に紛失したとなれば当然犯人はあんたらの中の誰かだ。
俺達じゃねぇ」
祝い酒なのか、やけ酒なのか…やけに酒臭いグランザールの兵士がオーガニアが誇る国の親衛隊“雷鳴騎士団”にくだをまいていた。
どうやら、その事を知らずに騎士団を罵っているようだ。戦争が無くなることは嬉しい事だが…───だが、今までで落とした仲間の命も消して少なくはない。複雑な心境は隠しきれないでいた。
そんな中───
絶対防御と謳われ、今も姫と王子を外からの不可視の暗殺に備え王都に展開されているバリアの強制解除、又は始動に使われる鍵が紛失したのだ。
大問題である。
次期国王護衛の為に、一撃必勝を掲げる雷鳴騎士団十数名も王子と共にグランザールに来城し、今日のグランザール国でのお披露目、パーティー等での警護にあたる事になっていたが問題発生である。
このようないざこざが戦争に発展することもあるのだ。
それを熟知している雷鳴騎士団長が一歩前に出た。
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