全ての始まり

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「俺達の中に犯人がいると言うならば、気の済むまで身体検査でもなんでも甘んじて受ける……だが、これだけは言わせてもらう。俺達の中にはそんな奴はいない!」  さらに騎士団長は続ける。 「この問題は我が国にも支障をきたす。犯人捜しは後に回し、先ずは鍵を捜し出すのを先決されるべきだ!」  これから同盟国となる酔った兵士達を侮辱することなく、騎士団の潔白を訴える彼は――  ヘクトル・オーガニア  オーガニアの第二王子でありながら騎士団長を勤める。  兄と同じく甘いマスクで髪色も同じく白金、プラチナメイルに短い髪が映える。  背には兄フラークとは違う、片側のみを被うマント。  腰には、騎士団全員が持つ軽量片手両刃剣。硬度には定評があるプラチナソードを装備している。  その身なりは、王子というより騎士団長という方が似合う。  グランザールの兵士達は、オーガニアの王子とは知らずに暴言を吐きつづけた。 「けっ!いい子ぶりやがって… じゃあ、早速鍵を捜してやるから全員全裸になれや」 「――! 貴様何を言うか! 貴様らの管理が――」 「やめろ」
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