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しかし、グランザール兵は耳を疑った。
「いえ、ラルフ殿気になさらずに。
兵達も祝いの今日は、少し気が抜けていたのでしょう」
微笑みながらそう言ってのけたのだ。兵達は唖然としながらも、自分達のした事を振り返る──が、同盟国の、しかも王子にする態度とは程遠い。口は開き、硬度が自慢の防具がやけに重く感じる──
一方ヘクトルは侮辱された事よりも、拗れ拡張された話がグランザール上層部に伝わる事がなかっただけでホッとしていた。
もし兵達が話を作り、オーガニアの仕業という事になっていた事を考えただけで、背筋が凍る。
「本当に申し訳ありませんでした。
兵達の処分はこちらに任せていただけますか?」
「えぇもちろん。
お前達も私に免じ怒りを抑えろ。
しかし鍵は……」
ヘクトルは騎士達に目を配ってから再度ラルフに一番重要である事を聞いた。
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