第二章

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暫くして美和は目を覚まし、将臣は心配そうに見ていた。 『ん…』 将「あ…起きたみたいだな。」 『有川…君。私…』 将「将臣でいいって、それより具合どうだ??」 『もう大丈夫。ありがとう。』 その時、屋敷の女房が美和を呼んでいた。 「美和様、お目覚めでしょうか??」 『はい、何ですか??』 「目が覚めたら清盛様のお部屋に来るようにと仰せ使っていましたので。」 将「こんな朝早くに??」 『…分かりました、今から行きます。』 「では、失礼します。」 将「俺も行くぜ??恐らくは今朝の事だろうな。」 『多分ね、準備するからその…』 将「!?あ、あぁ。部屋の前で待ってる。」 そう言って将臣は顔を赤くして出て行った。 美和はそんな将臣を可愛いと思っていた。 暫くして美和と将臣は清盛の部屋に行き、清盛は美和を真剣な眼差しで見ていた。 『それで、話とは…』 清「…美和よ、そなた我に隠し事をしていないか??」 『(やっぱり…)…と言うと??』 清「重衡から聞いた。そなた、今朝怨霊を封じたそうじゃな。」 将「そうなんだよ。美和、いつからそんな力を身に付けたんだ??」 『…実は言うと、昨晩夢で王龍にあったんです。』 清「なんと!?王龍とな…」 将「なぁなぁ、ずっと思ってたんだけど、王龍って何だ??」 清「王龍とは全世界の神々の中で頂点に立つ伝説の龍神だ。 その王龍と話したことがあると言うことは美和、そなた王龍の神子では無いのか??」 『…その通りです。清盛様。』 将「美和、記憶が戻ったのか??」 『えぇ、昨日全部思い出したの。 王龍の神子は唯一王龍と話すことができ、封印の力を持つ白龍の神子と、怨霊と対話し鎮める事が出来る黒龍の神子の両方の力を合わせ持っていると。』 清「その通り、王龍と聞いてからもしやと思っていたが…」 『今まで黙っていて申し訳ありません。』 将「仕方ねぇよ、忘れてたんだろ??」 『…清盛様、お願いがあります。』 清「願いとな、何じゃ??申してみよ。」 『私に、武術を教えて貰えないでしょうか??』 清「武術とな…」 将「おい、お前それはつまり…」 『…そうです、戦場に赴きたいと思っています。』 そう言うと美和の目は一切の迷いは無かった。
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