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屋敷に帰ってからも美和と不二の話はつきることが無く、2人は楽しそうに話していた。
そんな時、不二が美和にあることを言った。それは…
不「ねぇ、美和。」
『ん??何??』
不「美和さえ良かったらこっちに来ない??」
『え??それってつまり…』
不「うん、飛鳥や望美ちゃん達と一緒に暮らすって事。」
『(つまりそれは、将臣達や清盛様達の裏切りを意味するって事…)…周助、誘ってくれてありがとう。』
不「じゃあ…」
『でもずっと此処に居るわけには行かないの。』
不「…それは将臣さんや英二達の為??」
『それもある、だけど1番の理由は今までお世話になった人を悲しませたくないから。
少なくともその人達は私を必要としてくれてるし。』
不「…」
『だからその恩を返すまでは周助とは一緒に居られないの。ごめんなさい。』
不「…分かった、美和がそこまで言うならもう何も言わないよ。」
『周助…』
不「だけど無理しないって約束して??美和の身に何かあったら僕は…」
『(ホントに周助と幸村君は考える事がそっくりね)分かった、約束する。』
そう言って美和は不二ににっこりと微笑み、不二は美和をゆっくりと抱き締めた。
暫くして九郎と望美達は帰ってきて、稽古や武器の手入れなど様々な事をしていた。
そしてみんなが寝静まった頃美和はこっそり起きて、光の玉となった王龍と話していた。
『知ってたのね、この世界に飛鳥や周助達が居ることに。』
王「言ったはずだ、時がくれば分かると…」
『そうだけど…せめて一言言って欲しかった…』
王「神子…その様な顔をするな。神子にはいつでも笑っていて欲しい。」
『王龍…そうだね、遅かれ早かれ飛鳥達と出会う運命だったのかもしれない。
問い詰めてごめんなさい。』
王「我は神子の為に在る、神子が謝る必要はない。」
『…だけど正直心苦しいよ。敵とは言え従姉妹や恋人を手に掛けなきゃいけないなんて…』
王「これも人の世が決めた定め、仕方あるまい。」
『せめて戦場で会わない事を祈るよ。』
すると飛鳥が来て、王龍は美和の中に入っていった。
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