第一章

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暫くして将臣は清盛の部屋に行き、美和の事を話していた。 その後に美和もたどり着いたが入るかどうか迷っていた。 将「だから頼むよ。アイツ、何かのショックで記憶の一部が吹っ飛んでるみたいだし。」 清「ならばその娘を読んで参れ。 誰か、将臣の部屋にいる娘をつれて参れ。」 将「その心配はしなくても大丈夫だぜ??もう来てるみたいだしな。」 すると将臣はのれん越しに美和を読んだ。 将「もう入っても大丈夫だぜ??」 美和は恐る恐る部屋に入り、将臣の隣に座ると頭を下げた。 『この度は行き倒れになっている所を有川殿に助けて頂き、ありがとうございます。』 清「そなた、名をなんと申す??」 『はい、上川美和と言います。』 清「うむ、美和と申すのか。」 その時、清盛の隣に居た時子が口を開いた。 時「さぞかし由緒ある良家で育ったのですね。」 『…恐れ入ります。』 将「美和も俺と同じ現代から来たみたいなんだ。 此処にいるかは分からんけど、美和も他に行くところが無いんだ。頼むよ。」 時「将臣殿…」 清「…美和とやら、もう面を上げて良いぞ??」 『…はい。』 美和が顔を上げると清盛はじっくりと美和を観察していた。 『あ、あの…』 清「…ふむ、雰囲気がどこか徳子に似ておるな。」 時「言われてみればそうですね。」 清「うむ、良かろう。美和よ、今日からそなたは我の客人として迎えよう。」 将「ホントか??」 清「左様、美和の部屋も用意せねばな。 誰か、美和の部屋の準備と着替えを手伝うように。」 時「お召し替えは私がしましょう。」 『ですが…』 時「良いのです、こんな時にしか手伝うことはありませんから。」 清「では時子、そなたに任せよう。」 時「さぁ、美和殿お召し替えをしますから私の部屋へと行きましょう。」 『は、はい…』 そう言うと時子は半場強引に美和を連れて行った。
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