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暫くして、美和を歓迎する宴が行われ、そこで美和はあらゆる武将と話していた。
そんな時、笛と琵琶を持った敦盛と経正が楽器を奏でていた。そこに2人のそばにあった琴で美和も2人に合わせて奏でた。
2人は初めは驚いていたが、次第に3人の楽器は美しく調和し、将臣達も聞き入っていた。
暫くして演奏が終わると、将臣が拍手をしながら来た。
将「見事な調和だったぜ??美和は楽器も出来るんだな。」
『一応私は演奏家志望だからね。』
敦「美和殿はいつから楽を嗜むように??」
『そうだな…物心つく前から楽器を手にしてたからよく覚えてないの。』
経「そんな小さな頃からやっていらしたのですね。美和殿のお心は聡明で豊かですね。」
『そうですか??そんな事言われたのは初めてです。』
すると今度は知盛が美和の所にやってきた。
知「ック、父上のお客人は楽もお手の物…か。」
敦「知盛殿…」
知「楽が出来るのであれば、舞も出来るのであろう??
それならば共に一差し舞わせて貰おうと思ってな。」
『…残念ながら舞は出来ません。したことありませんので。』
知「何??」
経「では教わってはいかがですか??知盛殿の舞はこの京でも指折りの舞手なのですよ。」
知「そう言うことは他の奴に頼むんだな。俺は興味ない。」
そう言うと知盛はきだるそうに去っていった。
それと入れ替わりに清盛と時子が美和の所に来た。
時「美和殿は舞はお好きなのですか??」
『え??好きって言うかやってみたい気持ちはあります。
でも難しそうな気がして…』
清「ならば習ってみるが良い。そもそもそなたは白拍子向きだろうからな。
明日、名のある白拍子をこの屋敷に来させよう。」
『でも…』
清「良いのじゃ、そなたは好きなだけこの屋敷にいるが良い。」
『清盛様…ありがとうございます。』
それから次の日から美和は舞の稽古に励むようになった。
そして美和は想像を絶する速さで上達し、もう人前で披露してもおかしくない程に成長していた。
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