第一章

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暫くして、美和を歓迎する宴が行われ、そこで美和はあらゆる武将と話していた。 そんな時、笛と琵琶を持った敦盛と経正が楽器を奏でていた。そこに2人のそばにあった琴で美和も2人に合わせて奏でた。 2人は初めは驚いていたが、次第に3人の楽器は美しく調和し、将臣達も聞き入っていた。 暫くして演奏が終わると、将臣が拍手をしながら来た。 将「見事な調和だったぜ??美和は楽器も出来るんだな。」 『一応私は演奏家志望だからね。』 敦「美和殿はいつから楽を嗜むように??」 『そうだな…物心つく前から楽器を手にしてたからよく覚えてないの。』 経「そんな小さな頃からやっていらしたのですね。美和殿のお心は聡明で豊かですね。」 『そうですか??そんな事言われたのは初めてです。』 すると今度は知盛が美和の所にやってきた。 知「ック、父上のお客人は楽もお手の物…か。」 敦「知盛殿…」 知「楽が出来るのであれば、舞も出来るのであろう?? それならば共に一差し舞わせて貰おうと思ってな。」 『…残念ながら舞は出来ません。したことありませんので。』 知「何??」 経「では教わってはいかがですか??知盛殿の舞はこの京でも指折りの舞手なのですよ。」 知「そう言うことは他の奴に頼むんだな。俺は興味ない。」 そう言うと知盛はきだるそうに去っていった。 それと入れ替わりに清盛と時子が美和の所に来た。 時「美和殿は舞はお好きなのですか??」 『え??好きって言うかやってみたい気持ちはあります。 でも難しそうな気がして…』 清「ならば習ってみるが良い。そもそもそなたは白拍子向きだろうからな。 明日、名のある白拍子をこの屋敷に来させよう。」 『でも…』 清「良いのじゃ、そなたは好きなだけこの屋敷にいるが良い。」 『清盛様…ありがとうございます。』 それから次の日から美和は舞の稽古に励むようになった。 そして美和は想像を絶する速さで上達し、もう人前で披露してもおかしくない程に成長していた。
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