悪魔

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悪魔

「リオン‥あなたにこの運命は酷すぎる、もしできるのなら私の命で違う未来を…」 頬から流れ落ちる涙は止まることはない。 泣かないで。私が居るから。と、母の涙を拭っていた手も震えて動かなくなった。 「かあ‥さまっ」 「ごめんね、ずっと側にいてあげたかった、もっとリオンの笑顔を見ていたかった…」 「やだっ…」 息も出来なくなるくらいきつく私を抱き寄せた。 「私は‥これからのリオンを見ることはできないけど、母様はいつも‥いつも‥リオンだけを思っている…わ…」 抱き寄せた手にもう力はない。 赤いものが全てを塗りつぶしていく。 ¨赤¨…‥―― 最後に見たあの月は 赤く染まる満月―――――。
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