悪魔

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「‥リオン様?」 侍女が心配そうにリオン顔を覗きこむ。 「昔のことを思い出していたの、なんだか長い時間浸っていたみたいね」 「昔のことですか‥私がリオン様に出会ったのはもう、10年も前のことですわ」 窓から見える、庭のバラが綺麗に色づいた。 "赤"…‥。 なんだか心がざわめく。 何かが記憶をかすめていくようなそんな感覚。 侍女が窓を開けると、それとともに澄み切った空気が部屋全体に広がる。 「庭へでましょうか?」 「そうね」 朝の光が目にまぶしい。 黄金色の瞳、それと似た色をした手入れされた髪が優雅に風になびいている。
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