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「…瞳、お前は女だ。もう少し女らしく、こう、清らかにだな…」
ため息まじりの父の言葉を無視し、瞳は怒鳴る。
「なんで兄上ではないのですかっ!!しかも、私はまだ高校生ですよ!?場数も兄上達に比べたらずっと少ないし…!!」
「瞳」
父の威厳のある声に、瞳は黙り込む。
「…これは、代々笠原家当主にしか伝えられないことなのだが…」
そう言いながら、昭仁は黒塗りの箱を取り出す。
「瞳、これが何かわかるな?」
取り出されたのは、家宝の鏡だった。
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