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―綺麗な月や。
男はそう思った。
闇の中で、黒い服を着ている男はどこにいるのかまったくわからない。
男は、目的の宿のすぐそばにある竹林に身を潜めていた。
『宿の中にいる攘夷一派と思われる者達を見張り、報告』
それが男の任務だった。
怪しいと思われている一派は、まったくそれらしい動きはない。
―無駄足やったか…?
そう思った時だった。
ガサガサガサッ!!
後ろの方で大きな音がした。
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