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「蒼サン、蒼サン、落ち着いて!」
他の男子が止めに入って俺はそいつの胸ぐらを離した。
「悪ぃ……怒鳴って」
「いや、俺こそ。……お前のルームメイト、天闘だったよな。言い過ぎた」
気まずい雰囲気が流れる。
「どんな理由であれ、転校する子は多いよな。もうこれで5人目?」
「あ、ああ。そうだよなー!ちょっと多いよなー!」
その空気を一緒にいた男子が振り払ってくれた。
俺は窓の向こう側を見る。
大きな壁に隔てられ、入るには専門のゲートが必要な特務科。
特務科の寮もその壁の向こう側にある。
じゃあなんで翼は俺と一緒の部屋かと言うと、一般人との交流を深めた天闘はどう変化するのかテストをする為だと、前に翼が教えてくれた。
翼は迷惑かけてごめんね、と初日早々謝ってきたけど、俺は全然気にはしなかった。……ちょっと最初は翼の事、怖かったけどな。
その後、遅れて教室にやって来た翔も混ざってどうでもいい話でホームルームが始まるまで俺達は騒いでいた。
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