始まり

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この学園には特務科と呼ばれる特別な科がある。 棟も普通科と分かれていて殆ど親交はない。 それもそのはず。 特務科には天闘(あまつ)と呼ばれる人間兵器しかいないからだ。 人間兵器っていっても見た目は俺ら人間と同じ。 ただ違うっていうのは、彼等は特別な力を持っている事。 今日本はミナヅチという異世界生物に侵略されている。 それを唯一倒す事ができるのが天闘だけだった。 何にも力のない俺達人間は天闘のその力を頼って、そして、その力を恐れた。 俺は天闘も同じ人だと思ってるけど、大半の人は天闘を人間兵器だの化け物だと呼んで恐れてる。 だから政府は一括に天闘を保護、管理をする目的で、雛ノ森学園に特務科を作ってそこに天闘達を押し込めた。 押し込めたっていうのは率直な俺の感想だけどな。 それ以外に俺には思い当たる言葉がないからだ。 俺だって雛ノ森学園に入る前、中学の頃までは天闘は怖い人間兵器だと大人達に教えられて育って来た。 でも今、それが違うと思っているのには理由がちゃんとある。 寮の俺のルームメイト、そいつが天闘だからだ。
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