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「くそ……っ」
俺はテーブルを軽く叩いた。
翼は天闘としての自分を嫌っている。
それでも運命には抗えなくてミナヅチを滅ぼさないといけない。
一度真っ白い制服を真っ赤に染めて翼が帰って来た事がある。
その時の翼は泣いていた。
どうして自分は天闘なのか、と小さく呟いて。
でも俺は何もする事が出来ないから、こうやって翼を送り出して待つことしか出来ない。
ただ、やるせない気持ちが俺の全身を駆け巡る。
結局俺が起きている間、翼は帰ってこなかった。
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