始まり

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「ただいまー!」 放課後を待って帰宅部の俺は急いで自分の寮へと帰った。 翼に今日の報告をする為だ。 「おかえり~」 急いで扉を開いたから翼は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐいつもの優しい表情に戻った。 「翼に重大報告!」 「え?」 俺の言葉に翼はきょとんとした顔をする。 「前に話した事あるかもしれないけど、俺のクラスのダチに翔っているだろ?」 「うん」 「今度、翼に会いたいって!」 「……僕に?」 翼は驚いた顔をした。 そのあと翼は腕を組んで何か頭の中で考えてる様だった。 「僕が天闘だって」 「知ってるよ。その上で会いたいんだってさ」 「……そう、なんだ」 俺は笑顔で伝える。 翼はやっぱり何か考えてるみたいでずっと腕を組んでいた。 「……わかった、いいよ」 ふう、とため息をついて翼はそう言った。 何でため息をつくんだろう。 その時の俺は気がつかなかった。
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