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学園が近づくにつれ、サラの胸中は不安で満ちていく。
高台からは砂煙のせいで何も見えなかったが、次第に強くなっていく焦げ臭さと、がらがらと何かが崩れ落ちていく音。
そして――無数の泣き声と叫び。
「っ、なんで……」
息を切らせ、立ちすくむ。
涙で滲んだ視界に現れたのは――絶望。
大好きな学園はどこへ行ったのか。
愛すべき仲間たちはどこへ行ったのか。
……なぜ、こんなところで独りきり泣いているのか。
原形をとどめていない学園を目に、サラはその場に崩れ落ちた。
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