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タッ…タッ…タッ…… 世羅は階段をゆっくり登っていく。 「…………。」 その顔はこれから使命を果たさなければならないというかのような、真剣なものであった。 しかし、同時に哀しそうな表情を見せる。 ガチャ… 屋上へのドアを開ける。 風の音が世羅を包み込む。 世羅の目線の先には、 「おい、危ないぞ!!」 今にも飛び降りかねないように屋上のフェンスの上に腰掛けている女子がいた。 「あ、世羅くん。来てくれたんだ」 注意をする世羅に対し、何でもないかのようにその女子は振り返った。 「…とりあえず、降りてくれない?」 自身が危険な体勢をとっているということを全然気にしないようすであることに世羅は呆れながら尋ねた。
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