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『黒歴史』
並行する数ある世界の1つ
首長と呼ばれる者が
国を支配する世界
時間軸を巻き戻すという
少々頭の痛い思いをしたが
僕は“あの偉い男性”の依頼で
首長にあるものを届けに行った
「ここは序列も身分も
まして性別も関係なく
誰でも首長になれると
“あの偉い男性”から聞いたのですが」
「それは本当だ
この星の全てをコントロール出来る
中枢部を支配する
ただそれだけで
誰でも首長になれる」
ただその仕組みのため
首長になれても
誰かが首長の座を狙いに来るので
心休まる時などない
今僕の目の前にいるこの人も
明日には別の誰かによって
首長の座を降ろされてしまうのかもしれない
「権力維持のため
常にどうすべきか
考えている
全てを闇に葬り去ろうとした
先代のようなことを
私もしようと思っている」
かつてこの世界では
無益な争いを引き起こした首長がいた
その時は防ぐことが出来たようだが
その過去の過ちを繰り返すのは
案外この首長なのかもしれない
血塗られた歴史が
今また繰り返す
その後この世界がどうなったのか
僕は知らない
History repeats itself.
[歴史は繰り返す]
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