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『独り』
「ぱぱぁ……ままぁ……
みんな何処にいるの?」
迷子になったのだろう
一人の幼い少女が
忙しなく人が行き交う大きな通りを
泣きながら彷徨っていた
「親とはぐれたのか?」
「ふぇ……
みんな何処にもいないよぉ……」
「……きっと親が探しているはずだ
泣かないで待ってるんだ」
目を赤くして泣きわめく少女
この子には親がいる
僕はこの子のように
二度と泣きわめくことはない
「何処にいたの?
心配したじゃない」
「だ、だって……みんな、どっか行っちゃうんだもん」
「さぁ家に帰るよ」
「はぁい……あ!
お兄ちゃん! ありがとう!」
「よかったね」
少女は僕に
「ありがとう」と言い
親と共に去って行った
君には帰る家がある
けれど僕には帰る家は無い
独りの寂しさを
改めて感じさせられたが
でも僕は今
決して寂しくはない
No one can live alone.
[一人じゃ生きていけない]
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