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「神様は何で僕らを創ったんだと思う？」
「さぁ？ ただのお慰みなんじゃねーの」
「僕はね、神様は神様だから僕らを創ったんだと思うんだ」
「ふーん」
「神様が神様たるには神様を神様として見る者が必要でしょう？ だから、神様は僕らを創りたもうた」
「でもさ、神は人間と神の違いを認識されたくなかったから知恵の実を食べることを禁じていたんじゃないか？ 第一、天使がいるじゃないか」
「うん、それはちょっと不思議。でも、天使は身体がないでしょ。あ、グレゴリあったんだっけ」
「身体がなくたって信仰は出来るだろ」
「でも、神様は実体を持つ者の信仰が欲しかったんじゃない？」
「神は神様になりたかったってことか？」
「そうかもね」
「神様って何だろうな」
「創造主でしょ」
「そうだけどよぉ」
「皆、神様は冷酷で残忍で不平等だって文句を言うけどさ、きっと神様は誰よりも慈悲深くて全てを許してしまう存在なんだよ」
「殺人も赦すのか？」
「殺人もだよ」
「じゃあなんでソドムを壊した？」
「さぁ、分からない」
「結局、神様も、宗教も、歴史も、何もかも勝者の為だけにあって敗者は片隅に追いやられるんだな」
「かもしれないね」
「悲しい？」
「何が？」
「神様が矛盾ばかりだと知って」
「存外、君も餓鬼なんだね」
「お前、それはないだろ」
「有り得るよ。有り得ないものを証明することは出来ないんだから」
「そう言うもんか？」
「そう言うもんだよ。矛盾がなければ世界は回らないのと同じさ」
「お前だって餓鬼のくせに」
おしまい
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