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春
それは出会いの季節だとか何とか聞くが俺には無縁な物だと思う
「…………怠い」
紹介が遅れた、俺は九十九絶月
今年の今日に高校二年になった多分普通の高校生
何故多分か?
それは自身の異常な身体能力にあるわけだが
それはまた今度話そう、今は腹が減った
「卵しかぬぇ…」
最悪な事に買い出しを忘れた様で冷蔵庫には卵が一個だけ虚しくそこにあった
「仕方ないか」
ホントに仕方ない
そんな訳で卵をスクランブルエッグにして適当にすました
食器は帰ってからやるんで水につけとく、正直面倒だ
「現在八時十八分か…ギリギリだな」
始業式は八時四十分からだがそれでも特に気にはせずのっそり制服に着替えカバンを担ぎiP。dにイヤホンを差し込み耳に付け曲を流し家を出る
ランダムで流れた最初の曲はジュリアに傷心
知ってる人が限られてくるが名曲だと俺は思ってる
学校に行くのが怠いと感じながら歩く事数分
前方で何やら騒がしいのがイヤホン越しにわかる
「ねぇ、腕を離してくれないかな?僕疲れたんだけど」
「べ、別に晶の腕に抱き付いていたいわけじゃ無いけど、この腕が離すなって言うから」
あるあねーよ
「そうですわよ、私にもこの腕が離さないで欲しいと申しているのですわ!」
なんなんだコイツ等
「憎い、憎悪で人が殺せるなら…」
「なら千寛助けてよ!」
「断る!!!」
てかトロトロと歩くな横に並ぶなウゼェ
邪魔だよクソッタレ共が
「ん?…げっ!?」
「どうしたの千寛?」
「拾い食いでもしてお腹でも壊したのでは?」
「案外そうかもね」
若干の苛々を募らせながら横を通り抜ければ二人いる男
格好よくはない方が何か声を発する
生憎イヤホンからの音楽であんま聞き取れなかったが
まぁいい、とっとと行くか
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