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コンコン・・・ キィーッ
男は静かに入って来た。
「お許し下さい・・・姫様・・・・・」
そう言うと姫を抱き抱え部屋を去って行った。
「ん・・・・・ここ・・・どこ?まだ夢を見てるのかなぁ?」
そこは見渡す限り植物・・・
野生の動物達もいる
「・・・・・森!?」
ここが夢の世界だと気付くまで時間はかからなかった。
〈どうして!?ベッドで寝ていたはずなのに!〉
帰り道を探そうと辺りを見回すと小人が畑を耕していた。
姫は帰り道を聞こうと歩き出した。
が、突然の目眩に襲われ倒れてしまった・・・
「ですか・・・っぶですか・・・っ!?」
〈誰かの声がする・・・誰?〉
「大丈夫ですかっ!?」
パチッ
「あ・・・私・・・・・」
「よかった。帰ろうとしたら人が倒れているんですもの・・・驚きましたよ。」
「ここは・・・?」
「私の家です。どうやらお疲れのようですし、休んで行って下さいな。」
「いえ・・・そんなワケにはいきません。私は城に戻らなくては。」
「城・・・?もしやと思っていましたが、その格好は百合姫様ですか・・・?」
「そう。私はこの国の姫よ。」
「これはとんだ御無礼を・・・しかし、お城に戻られるのは難しいでしょう・・・」
「何故?」
「ここは人里離れた森の奥。人などめったに来ません。ここからお城まで歩いて行ける距離ではありませんし・・・」
「・・・・・。」
「今日はお休みになられて下さい。明日また詳しい事をお話し致しましょう。」
「・・・わかりました。」
「どうぞごゆっくりお休み下さいませ・・・」
「おやすみなさい。」
〈これは・・・一体どういう事だ?一国の姫でもあろうお方がこのような場所に・・・〉
〈早く・・・早く城に戻りたい!〉
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