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春の風が優しく撫でるように頬をくすぐる。
少し温かく、少し冷たさを感じる春の風。
“春の風は恋を持ってくるんだよ”
ふっと風に乗って聞こえた、あの人の声。
近くに居るの?…。
由花里は真正面の桜の木に指を指した。
「ほら、風が持ってきたよ。」
そう言われ、桜の木に目をやると、あの人と目が合う。
…その時、桜の花びらが風と共に舞い上がった。
花びら達は、この時を待っていたかのように私達を包み込んだ…。
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