運命ですが、何か?

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突然だが今、九羽一樹の前には小規模のクレーターができていた。 実にふざけた話である。 「さっすが怪力姫……」 「だからその名で呼ぶなって言ってるでしょ!!」 そしてまた一つクレーターが増える。 地面に足を着いただけで穴が空く女を怪力と呼ばずに何と呼ぶのか。 「私には日野愛姫(ヒノアイヒメ)って名前があんのよ!」 地面にいくつものクレーターを作りだす女の子。 日野愛姫。 茶色の髪を肩まで伸ばし、片方は水色の髪留めをしている。 なかなか可愛らしい。 ただ、性格を知らなければの話だが…… 「俺は帰るんだよ!」 「あ、ちょ、逃げるな!」 こうなれば逃げるしかない。 一樹は隙をついて走り出した。 追って来る気配は無いと判断した一樹は門を出たところで立ち止まる。 「っぶね~……」 膝に手を着き、息をする一樹。 彼は無能力者だ。
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