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最近では能力の存在が当たり前になってきた。
中学生、高校生は特別強化指定年齢になっていて、更なる発展を目指している。
普通の学校など存在しない。
すべてが能力者を基準に作られていた。
無能力の一樹にはつまらない話である。
「能力……ほしいな……」
頭の後ろに手を回し、ゆっくりと帰路を歩いていた。
ふいに少女とすれ違う。
「待つのだ、そこのアホ面。」
少女が呼び止めようしたが、自分をイケメンな方だと勘違いしている痛々しい一樹は歩みを続ける。
立ち止まらずに歩き続ける一樹を見て、少女は呼び方を変えた。
「そこのイケメン……」
「お呼びでしょうか?」
呆れた。
呼び方一つでここまで変わるものなのかと。
立ち止まり、少女の身長を見た一樹。
「……小学生?」
初対面で失礼である。
しかし、その少女は小学生と間違えられても仕方が無いものだった。
小さな身長にフリフリのスカート。
膝まである黒髪、大きな瞳。
人形のようだ。
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